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【観劇レポ】雀組ホエールズ「横浜ヶ国」

#芝居,#雀組ホエールズ

【ネタバレ分離】 雀組ホエールズ「横浜ヶ国」の観劇メモです。

初回投稿:2025年12月11日 22時40分
最終更新:2025年12月11日 22時40分

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名雀組ホエールズ
第18回公演
横浜ヶ国
脚本佐藤雀
演出佐藤雀
日時場所2025/12/10(水)~2025/12/14(日)
赤坂RED/THEATER(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

横浜がホームグラウンドですが、公演は都内を中心に活動。

雀組ホエールズは「社会派」といわれることが多いですが、作品の根底は「思いやり」をテーマにしたいと思っています。「恥ずかしいくらいに正直な思いを伝えてみて、そこからどう思われるかはお客様に委ねるしかない」そう考えています。現実がどんどん殺伐としていく中で私たちがお伝えできることを探していきたいと考えています。

また雀組ホエールズは、小劇場の面白さを初めて演劇に触れる方にお伝えしたい。演劇ファンはもちろんですが、演劇を観たことがないという人にこそ、見て欲しいんです。お金を払って90分以上、狭い空間に押し込められて、なんだかお金も時間も損した気分になる、それが演劇。そんな風に思ってる方にこそ見て欲しいんです。

楽しい、笑える、そして泣ける。舞台上の役者たちと観客が一体となって作り上げる空間。それが演劇の魅力だということを体験して欲しいんです。役者はお客様の空気を敏感に感じる。そしてお客様も、そんな役者の空気を感じることができる。舞台の上と観客席がお互いに心を開き合ったとき演劇は、最高のエンタテインメントになるんです。

映画は1800円、演劇はその倍以上、高額の値段がかかります。雀組はそのことを踏まえて、「お客さんに損はさせない」そういう思いで演劇を作り上げて本番に臨みます。そんなわけで、一緒に小さな空間を共有しましょう。

劇場でおまちしています。

雀組ホエールズ

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

太平洋戦争で無条件降伏を受入れた日本は独立国とは名ばかりの米国の傀儡国である。また「戦後100年目の2045年に日本が米国に吸収される」ことも決定事項として密約されている。これまでも日本の国政を動かしてきたのは永田町ではなくホワイトハウスだったが、戦後80年を機に米国が俄かに動き始めた。そうとは知らず永田町の腐敗に憤った横浜市長・二俣川たか子は、横浜市を日本から独立、横浜国建国の狼煙を上げる。時の総理大臣がそれを許せば日本が米国に反逆したと思われかねない・・・。国とは何か、独立とは何か、そしてひとの幸せとは何か。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2025年12月10日
19時00分〜
上演時間130分(途中休憩なし・25分の開演押しも含む)(実際は105分)
価格6000円 全席指定

満足度

★★★★★
★★★★★

(2/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

雀組ホエールズ「横浜ヶ国」

自民党だが癒着は大嫌いな女性横浜市長の二俣川たか子。週刊文春が「横浜市は独立する」とたか子が言っていると奇妙な虚偽報道。幼馴染み?で現首相の石瓦一郎から、その発言は危険だ…と言われる。日本はそもそもアメリカの植民地で、歴代の首相は就任するたびにアメリカとその約束を交わさせられてきたのだ、という。正義感の強い二俣川は本気で横浜市を独立させようとするが…そうするとアメリカの手先は黙ってていない。横浜市の周辺でアメリカと縁の深い逗子市長や座間市長はどうすればよいのか困り顔で。それでも独立してやると意気込む二俣川と石瓦の物語。

久しぶりの雀組ホエールズ。横浜が国として独立する…というどこか荒唐無稽な設定で展開するブラックコメディ。設定自体はどこか、漫画原作で最近ドラマ化もされた「沈黙の艦隊」を連想させられなくもない感覚。日本は結局はアメリカの傀儡国でしかなくて。しかも最近のトランプ政権…トランプのスーツやネクタイそのままの姿に登場する東雲タロウ…に操られているに過ぎない…というのを痛烈に皮肉っている。日本のこの構造については…もう仕方ないよなぁと諦めている私にしてみると、あらためてブラックコメディにされても、乾いた笑いしか出てこないのだが。皮肉を込めた設定で大々的に馬鹿馬鹿しく展開した作品、というのは理解できた。その「洒落のセンス」は理解できたのだけど。

…普段この感想ブログには、制作や当日運営のダメな部分については基本書かないようにしているのだが…初日のこの日、劇場内の運営が悪すぎた。開場時間が15分押し。開演時間は25分押し。開演が押しても、どうしてここまで開演が押すのか事情の説明のアナウンスが全く無く、場つなぎのコントなどが始まり、その内容が適当すぎてむしろ更にイライラ。それ以外にも、前方数列の指定席チケットと後方の自由席との区分が明確でないので客席で困惑して自由席の客が指定席に座っていて、最後に末席に移動させられる人を多数見かけたり(開演時間を大幅に押したのちに来る指定席客って何なんだろう…という気もするが)。開演が押したことで、大々的な横入りをする団体がいたりと(指定席なんだろうな…と思ったら自由席を占拠する団体客…)これほど不愉快な当日運営に当たるのは珍しい。

安全の確保等のやむを得ない事情もあるだろうから、開演が押すこと自体は仕方ないとは思う。それにハプニングだって演劇の一環。押す理由をちゃんと説明して客席を味方にして、むしろ盛り上がるケースにもよく遭遇してきたけれど。…開演が押すことに合わせて、客入れの段階でここまで客の神経を逆撫でしておいて「洒落の効いたブラックコメディです」というのはちょっと無理があるというか、それ自体がブラックコメディか、とツッコみたくなる。元々狙っている乾いた笑いが更に乾いて何の感情も沸かない。コメディで笑わすって本当に大変だよなぁなんて歌丸さんの言葉をフワフワと思い出しながら、舞台で展開されるバカ騒ぎをどこか遠い目で見ていた。

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