観劇

【観劇レポ】くによし組「塔の上の」

【ネタバレ分離】 くによし組「塔の上の」の観劇メモです。

初回投稿:2026年06月20日 23時44分
最終更新:2026年06月20日 23時44分

公演前情報

公演・観劇データ

項目 データ
団体名 くによし組
マグカルシアター2026/高槻de演劇2026盛夏のプログラム
塔の上の
脚本 國吉咲貴
演出 國吉咲貴
日時場所 2026/06/18(木)~2026/06/21(日)
スタジオ「HIKARI」(神奈川県)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

國吉咲貴が、優しい人を集めて作品をつくるユニットです。

コンセプトは『異常で、日常で、シュール』

2015年に劇団として立ち上げ。

2025年4月より、國吉咲貴のユニットになりました。

受賞歴

ミソゲキ「大阪の家康賞」、佐藤佐吉賞2018最優秀作品賞、関西演劇祭2020 脚本賞・演出賞

シアタートラム・ネクストジェネレーションvol.16選出 など

くによし組

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

高い塔に長い間暮らす住人を、街の人は誰も知らない。 
性別すらわからない住人の窓から垂れ下がった白髪はとんでもなく長く、もうすぐ地面に着きそう。
街の人々は塔の住人に「髪を切った方がいい」と伝えるかどうか相談を始める。けれどあの人にはよくない噂が沢山あるらしい。 
ひとりぼっちの塔の人と街人の、噂話のお話。

マグカルシアター2026、高槻de演劇2026にて別キャスト、別演出にて上演します。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目 データ
観劇日時 2026年06月20日
19時30分〜
上演時間 95分(途中休憩なし)
価格 3500円 全席自由

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

塔の上の

美大の卒業制作で、実家の塔の絵を描いている男。その塔には「上野」さんが住んでいて出てこなくて、塔の上から髪だけが延びていて、もう直ぐ地面につきそう。役所の双子が、様子を見にくるもの、姿を見たことはない。町の美容室の女性は、塔から垂れる髪をすきにくる。。。切るのは町のルールで御法度なので、ただすきにくるだけ。田舎の野菜に興味を持った先輩が訪ねてきた。絵を描いている男は、ちょっと恋心を持っていたのでタイミングちげーけど告白。どうもうまくいったらしいが…先輩も写真を始めたばかりで…結婚の約束までする2人だか、気がつくと先輩の写真の方が認められていて…2人は結婚できず。男は卒業制作をかんせいさせることはなく、幼馴染の子と結婚していた…。塔の上野さんにUBER eatsの配達をする男が時折よぎる。それぞれの物語を「自分が主人公」だと名乗る人々によって語られる…と、ストーリーだけを強引にまとめるとこんなお話。

満足度の星は4か5か迷って4。前回2024年の「ケレン・ヘラー」が最高だったが、その後ひとりユニットになったと聞いて心配していたものの、また作品観られて良き。練りに練り上げられた世界観と何度もリフレインする言葉が、自然と一つのも物語を紡いでいるのが何とも上手い。役者も上手い人集めたなぁという感覚で、演劇としてはものすごい完成度で面白いのだけれど。

「塔」と「上野さん」って何のメタファーだろうとか、男と女の役割と視点ってどうなんだろうとか、これは作者自身の立ち位置や経験を反映しているだろうかとか、資本主義的なものへ抵抗するテーマもあるのとか、親との関係とか、世代と時代はめぐる繰り返すとか、「神隠し…」ってどういう意味だろうなぁとか。とにかく、観ながらいろんなことをメタファーとして捉えてていて。それ故に、どこまでもコミカルな作風とは別に、どこか別役実だったりカフカだったりの不条理劇の様相を強く感じたりするのだけれど。

…何というか「一つの皿に料理盛りつけ過ぎ」という言葉に尽きる。ここまで多様な要素を一つの物語に無理なく織り込むのはそれはそれで凄いなぁとは思うのだけけど、一体何の話だったのだろう…と振り返ると要領を得た説明ができないというか何というか。群像劇的…多面的な物語と取るには、一つ一つの要素が鮮明すぎるんだろうなぁ。そこがどうにも消化不良で、面白かったけど、と「けど」を付けたくなる感覚が強かった。

藤家矢麻刀の演技が特に印象的。きっと彼の人生からすると、いろいろままならない事だらけなんだろうけれど、いつも悪びれずにはにかんでいるのがとても好き。

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