観劇

【観劇レポ】文学座「かさぶた式部考」

【ネタバレ分離】 文学座「かさぶた式部考」の観劇メモです。

初回投稿:2026年06月06日 10時54分
最終更新:2026年06月06日 10時58分

公演前情報

公演・観劇データ

項目 データ
団体名 文学座
かさぶた式部考
脚本 秋元松代
演出 松本祐子
日時場所 2026/05/29(金)~2026/06/06(土)
紀伊國屋ホール(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

文学座は1937(昭和12)年9月、久保田万太郎、岸田國士、岩田豊雄(=獅子文六)の文学者の発起によって創立されました。

「真に魅力ある現代人の演劇をつくりたい」
「現代人の生活感情にもっとも密接な演劇の魅力を創造しよう」

本公演、アトリエの会、附属演劇研究所 という大きな三本柱を通して
この創立理念は生き続けています。

文学座

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

地球上で生きる多くの人々は、新聞やニュースに掲載されることもなく、多くの人の目に触れることもありません。しかし、そうした人々こそが日々の生活を営み、歴史を支えてきました。その中には、ダイヤモンドのように輝く精神の美しさと、ヒリヒリするような痛みが確かに存在し、秋元松代が描く世界にも息づいています。
秋元松代の紡ぐ言葉は、どの登場人物にも確かな血肉を感じさせます。歴史の痛みを忘れてしまう私たちへの強い憤りを抱えて、この作品は書かれました。

全国に伝わる「和泉式部伝説」に着想を得て描かれた本作。
2022年に上演した『マニラ瑞穂記』に続き、松本祐子が演出を務めます。
2027年の創立90周年を控えた文学座が秋元松代の代表作に挑みます。

■あらすじ
九州のとある村。農家を営む大友家の長男・大友豊市は、働きに出ていた炭鉱の事故で正気を失い、母の伊佐と妻のてるえが面倒をみていた。
ある日、金剛遍照和泉教会の信者と出くわし、豊市は和泉式部の末裔を名乗る教祖・智修尼の美しさに夢中になる。巡礼団に加わることを決心した息子に、母・伊佐も同行するが…。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目 データ
観劇日時 2026年06月05日
13時30分〜
上演時間 180分(15分の休憩を含む(90-休15-75))
価格 7000円 全席指定

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。

感想(ネタバレあり)

かさぶた式部考

1969年初演の戯曲を文学座が上演。ストーリーは劇団紹介の通り。「式部物語」として映画化もされている作品。いずれも観ておらず作品初見。以前、質問箱を開設していた時に、(俳優座・青年座は観るのに)文学座は観ないんですが…という質問を何度かもらったことがあるが、特に避けている訳でもないのだが巡りあわせがいつも悪い。そんな訳で久々の文学座。

全編、戦後すぐの九州弁で書かれており、なかなかに聴きとるのが大変。加えて一幕が(どんな演劇でもそうだけれど)状況の説明感が強くてちょっと単調で…何度か船を漕いだ(両隣りに座った知らない人も一緒に漕いでたw)。休憩時間にトイレに行きながら、後半も同様に退屈かなぁ…と思ったら。

二幕の冒頭から突然ものすごい展開を見せる。一気に物語に引き込まれる。結果的に、一幕で展開していた状況説明が、全て後半に「イヤ~な」フォーメーションに配置転換をしてきて、客にこれでもかーという位に嫌な感じで迫ってくる。ヌメッとした嫌な感じが、とにかく生々しい。…例えば、1960年代の炭鉱の労働の問題や、宗教を信じるという事、宗教を運営する側の倫理?的な話題、親子の関係と、嫁・姑、女性の自立、、、などなど。あまりにも多様なテーマを織り込んでいるので、一つの見方に割り切れる物語ではないけれど…あらあらっ、凄いもの観たなという、一幕の退屈さとは全く違う場所に連れていかれた。

二幕冒頭。(60代目)和泉式部が、実は息子の豊一を誘惑していて、足を舐めさせてたぶらかしていた…と、どこかSMの女王様とのプレイのような描写が描かれるのが、あまりにも生々しくて怖い。最初は「夢の中のシーン?」と思っていたのだが、どうにもこれは「現実」として描かれているのが進むにつれて分かってくる。前半の、どこか道徳的な宗教観の塊みたいな話はどこへ行ったのか…と思う。終演後パンフを買って知った劇作の経緯。1969年の作品なんだぁ…とあらためて関心。当時は今に増して特にセンセーショナルな作品だったんだろうなぁと想像したりもした。

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