<観劇レポート>2223project 「劇団晴天の「曇天短編集」vol.2」

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【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 2223project「劇団晴天の「曇天短編集」vol.2」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名2223project
2223project produce 劇団晴天第11回公演
劇団晴天の「曇天短編集」vol.2
脚本大石晟雄
演出大石晟雄
日時場所2020/11/06(金)~2020/11/15(日)
花まる学習会王子小劇場(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

劇団ホームページにはこんな紹介があります。

気が付かないふりをしたい現実から目を逸らさず、辟易しない優しさを誠実に描く。
無自覚な心の傷に沁みる、 明日もがんばろうと思える演劇。
シンプルな会話と本当の音がする物語で、センスでもアートでもシュールでもない、
次世代のスタンダードを目指す。
2015年佐藤佐吉賞優秀脚本賞、2017佐藤佐吉賞主演女優賞(鈴木彩乃)を受賞

2223project

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

■各話あらすじ
1.『風船割り放題』
櫻井竜彦(梅棒)、荒木広輔(劇団晴天)、近藤陽子(劇団AUN/劇団晴天)
「秘密を増やすからさみしくなるんだよ」
別れ話の最中もぼよんぼよん揺れる風船を膨らます浮気相手に、
もっともっとって笑ってただろう彼女を想像している。
どちらか片方は残ってほしいらしい。俺は風船が好きだ、彼女も風船が好きだ。でも俺は風船を膨らませたことがない。

2.『あなたが窓際にいると私には背中がみえる』
永田涼香、佐藤沙紀(劇団晴天)
「みんな病んでるみたいに見えませんか、私の周りだけですか」
自分が疲れるくらいなら、人を殴ることもできた気がする。
でも、ふたりは向かい合うよりも同じ方向を向いているほうが落ち着くのだ。

3.『晴れたよって言われても』
函波窓(ヒノカサの虜)、白石花子、鈴木彩乃、角田悠(以上、劇団晴天)
「お前の悲しみごともらってやるよ」
人が死んだら悲しいなんて、文字ではじゅうじゅうわかってる、
お焚き上げ会で遺書が出てきて、どうにかして燃やしたい。
ラブミーテンダー 夕暮れはトリンドル ジョントラボルタになりたい あの人が死んだ日を何にもない日にしよう。

一人芝居『換気扇の音量なのかよ』
つかてつお(東京ジャンクZ)
ノイズがすごいんだ、これが換気扇の音量なのかよ。

の、新作4本を、
劇団員が増えた新・劇団晴天がお送りします。

観劇のきっかけ

1月に観た作品が非常に面白かったからです。

  • 2020年01月10日 2223project「共演者」
  • ネタバレしない程度の情報

    観劇日時・上演時間・価格

    項目データ
    観劇日時2020年11月6日
    19時30分〜
    上演時間115分(途中休憩なし)
    価格1000円 割引価格のZ席

    チケット購入方法

    劇団ホームページからのリンクで、Web上で予約しました。
    当日、受付で現金で支払いました。

    客層・客席の様子

    男女比は6:4くらい。様々な年齢層のお客さんがいました。

    観劇初心者の方へ

    観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

    芝居を表すキーワード
    ・会話劇
    ・シリアス
    ・泣ける
    ・シンプル

    観た直後のtweet

    映像化の情報

    情報はありません。

    満足度

    ★★★★★
    ★★★★★

    (5/5点満点)

    CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
    ここから先はネタバレあり。
    注意してください。

    感想(ネタバレあり)

    3話オムニバス+全体を貫く一人芝居1作。各作品に関連はナシ。いずれも、生活している部屋の一室で展開される物語。
    どの作品も濃厚な会話劇。各作品に共通しているのは・・・、とにかく、言葉の選び方のセンスが抜群。登場人物が置かれているとても微妙な感情や、葛藤を、自然だけれど鋭い会話で、短時間のうちに浮かび上がらせていくのが、鮮やか過ぎて見事。短編という事もあり、気が付くとすぐに、独特の世界に引き込まれている。特徴的なのは、その会話の自然さとは反対に、セリフは少し叫ぶように語られる事が多い事。気が付くと役者さんの声量がとても大きい。とても演劇的、でもある。最初はちょっと不自然に見えたりするのだけれど、気が付くと、自然な会話、と感じてしまうのが不思議な感覚で面白い。何時間でも観ていられそうな感覚だった。

    各作品についてのメモ。

    『風船割り放題』

    男女カップル。男は女の誕生日を祝えると思っていて、女の部屋で風船を膨らましてる。男は女に、プロポーズに近い事も言い、これから時間かけて決めていこう、としていたら。そこに二股かけたもう一人の男が登場。しかも、その男は既婚者で不倫関係。修羅場のはずが、いつしか、誰が誰を愛していたのか、いなかったのか。そんな問答になっていく。

    極端にコンプレックスの強い男。男が愛していたのは、結局誰だったのか、自分自身だったのか。不倫男は不倫男なりに、子供が出来ない事で悩み。女は、同じ日に告白されたことで、ズルズルと3年も二股をかけて、して欲しくもない、風船膨らますのを男に頼んでいたり。結局みんな何が好きだったのだ、誰が好きだったんだ?。でも恋愛って、割とそういう事あるよね。実はすべては、自分への愛なのか。そんなことを考えてしまう。観ていて自分の心が、チクリと痛い。

    櫻井竜彦、フラれたショックもあり、まだ言っている事が分からない、意識が広がる前の表情。荒木広輔、少し人生の深みを知ってて。まあ、そういう事もあるかな、でも体の関係が欲しいな、的な不敵な笑み。近藤陽子の、誠実で精いっぱいの声で、グイグイ迫ってくる感覚。どれも印象的。

    『あなたが窓際にいると私には背中がみえる』

    パワハラにあって、メンタルで会社を辞めた先輩と、部屋の片づけを手伝いに来た後輩。二人は会社の先輩後輩で、たまたま同じ高校のバスケ部でも先輩後輩。二人の会話から浮かび上がる、一体何があったのか、何を思ったのか。そんな時間の物語。

    先輩を敬うあまりなのに、後輩、ちょっとおどけた感覚が続くと思ったら、「ズルいと思った」という本音。刺してやろう、ヌンチャクで殴ってやろうと思った、という切実だけれどどこまでも茶化してしまいたい思い。ヒリヒリしているのか、癒しなのか、そんな事を思い。「その謝罪は、私への謝罪ではなくて、謝った事でアンタがスッキリするための謝罪だよね」と「弱い人は、強い人がなんでも平気だと思っているよね」(共にうろ覚え)というのが鋭くて、でもこの関係だから言える、ギリギリの抵抗でもあって。ウイスキーの小瓶の話も印象的。 エスニック、エスニック言うので、本当のゲームの名前を私も記憶できず。

    永田涼香、おどけている、道化のような振る舞いが最初は理解できなかったのだけれど。もし自分がリアルにあの立場に居たら、あんな風に茶化さないと、会話すらできないんじゃないか、というのが、物語の進行にあわせて伝わってくる。佐藤沙紀、ウイスキーの小瓶な話を、ギリギリのところでトツトツと言うのがとても印象的。背が高いので、前作「共演者」でのコングだ!と気が付く。前回と印象が大分異なり。

    『晴れたよって言われても』

    大学の友達5人組。1人の男がミュージシャンで、その彼女も友達で、同棲していた。男が、事故か自殺か、突然死んでちょうど5年。区切りをつけるために、お焚き上げ(遺品などを燃やす事)をするために、品物の選別に、女の部屋に友達3人が集まる。整理していくと浮かび上がる、死んでしまった男への思い。クマのぬいぐるみの首から、突如発見される遺書。読むのか、読まずに炊き上げるのか・・・そんな時間の物語。

    最初、会話のテンションが高くて、とても不自然だな、と感じる。あれ、どうしたんだこの作品は、前2作の繊細さが、無くなっちゃってない?と思ったけれども。後半に展開するお話、突如死んでしまった恋人/友達への思いを見ていると、そのテンションが無いと話せない事だよな、という風に思えてくる。結果的に一番印象に残る話になった。死んでしまった人を、忘れる事が出来るのか。泣いたら悲しいのか、泣かなかったら悲しいのか。葬儀に出ていたら忘れられるのか、葬儀に出なかったから覚えていられるのか…。5年目の、各々の心の解きほぐしの過程が、とてもよく表れていて、ラストの遺書は、涙が止められなかった。男が残したノートの歌詞が面白く、「遺書」に繋がる流れがイイ。

    函波窓、「共演者」では舞台監督の役だったかな。突然モテてしまうのは共通点なのか。心の動きが凄く伝わってきた。表情が、印象的だった。

    一人芝居『換気扇の音量なのかよ』

    3作の転換時に演じられる、一人芝居。おそらくは、4月入社の新入社員。自粛で、自宅に籠ってる。ZOOMで会議すると、1階の中華料理屋の換気扇がうるさくて、上司から「おまえは聞こえにくいから話すな」と言われてしまう。不動産屋、中華料理屋のバイト、料理屋のオーナーと、換気扇を止めるように電話で話をつけていくうちに、意外な展開になっていく物語。

    最初ちょっとまどろっこしいかな、と思ったけれど。オーナーと話すあたりからの展開が面白い。明らかに、今、の物語なんだけれど、私の記憶違いでなければ、「コロナ」という言葉を一度も使わずに、表現しているのが、繊細で好き。3つの短編を、今上演することに、上演出来ることに、さりげなく意味っぽいものを加えていて、とても素敵な感じ。

    つかてつお、終始テンション高いイケメン。地味ハロウィンの「Web会議のために見える部分だけちゃんとしようとした人」を思い出す衣装が好き。


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