<観劇レポート>Bunkamura「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」

#芝居,#Bunkamura

【ネタバレ分離】 Bunkamura「舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド」の観劇レポートです。

公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名Bunkamura
THEATER MILANO-Zaこけら落とし公演 COCOON PRODUCTION 2023
舞台・エヴァンゲリオン ビヨンド
脚本ノゾエ征爾
演出シディ・ラルビ・シェルカウイ
日時場所2023/05/06(土)~2023/05/28(日)
THEATERMILANO-Za(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

Bunkamuraが企画した、東急のTHEATER MILANO-Zaのこけら落とし公演です。

Bunkamura

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

無秩序な開発、争いにより、海や大地は汚染され、壊滅的な惨状を呈した地球。
限られた地域に「ドルフ」と呼ばれる集落を作り、暮らす人々がいた。
そんなドルフの一つをリーダーとして牽引する渡守(ともり)ソウシが、その日、目撃したもの……。
新たな高エネルギー資源が特務機関「メンシュ」によって発見され、
最高司令官・菅生(すごう)マサツグの指揮のもと、「エヴァンゲリオン」が海底を穿ち、地中深く潜っていく。

しかし、ここで思いも寄らない事態が発生する。
掘り進めた地底から、巨大な未確認生物「イキモノ」が出現したのだ。
エヴァで必死の迎撃を行い、なんとかイキモノを地中に閉じ込め、強固な蓋をする。

それから半年。
渡守ソウシは、ドルフのシェルターの向こうの光景に目を疑う。
再びイキモノが出現した。
イキモノと激闘を繰り広げるエヴァを茫然と見つめるソウシ。
急変する事態を前に、動揺する蓮見(はすみ)タンを始めとするパイロットたち。
疑念を強めるソウシは、メンシュのドルフ上級担当官・瑞穂(みずほ)ユウに近づく。

一体何が起きているのか? 誰が何をしようとしているのか?
イキモノとは? エヴァンゲリオンとは?
明るみになる真実と、晴れない疑念との間で、人々は……。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2023年05月10日
18時00分〜
上演時間160分(途中休憩なし)
価格C席 9000円 全席指定

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(4/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

※文章書くのが不調で、しっかり書き上げる余裕が取れないため、当面は感想のメモだけ残しています。後々振り返って、もう少しちゃんとした文章に仕立てあげるかもしれません。

私自身のエヴァの知識は、テレビシリーズと、その後公開された数本の映画で止まっていて、近年公開された新しいストーリー展開みたいなのはよく分かっていない。要はかなり久しぶりのエヴァだった訳だけど。そんな中観た、舞台版エヴァ。ストーリーは、エヴァのようであって、エヴァでない。シンジ・アスカ・レイ・ミサト・ゲンドウ・リツコ・リョウジのようなキャラクターは出てくるが、所々設定が違っている。シンジくんに当たりそうな、もう一人が幽霊みたいに登場する。そして、個々の固有名詞は完全に異なるので調子が狂う。何より狂うのは「ゼーレ」じゃなくて「メンシュ」。

あまり予備知識を仕入れないで演劇を観る事にしているが故、それが「最近のエヴァの流れ」なのか「この舞台作品ならでは」なのかが、まずよく分からなかった。観終わった後の感想を読んでいると、どうもこれは舞台独自の名称と、微妙な設定変更なのではないか、と思う。加えて、庵野秀明等の名前は見つけられなかった。もう完全にアナザーストーリーでけれど似すぎているエヴァ、という事なのだろうか。観終わった今でも、実はよく分かっていない。

大まかの流れはシリーズのエヴァに似たストーリー展開だが、一方、ラスト、使途が何者だったかは展開が異なり、どうやら「環境破壊」的なメッセージが織り込まれている。正直なところ中途半端にエヴァで、中途半端にエヴァではない。その点にはフラスト。環境破壊テーマとか、エヴァに求めている人は少ないと思うのだけれど。それ故、お話しにはあまり興味は惹かれなかったものの。

エヴァや使途の立ち上げ方、フライングと照明・舞台装置・音響その他のリンク。要は舞台の演出が、とてつもなくすごい。この「視覚効果的な舞台」は、かなり観ごたえがある。ちょうど安い3階のC席から観劇していたので、八百屋の形状になる舞台がさらに全体としてよく見渡せる。エヴァに乗って歩き出す様を、フライングで表現したり、人形浄瑠璃のような使途も中々面白い。ストーリーはとりあえず脇において、この効果を観ているのは、純粋に面白かった。

よくよくこの作品のクレジットをみていると、上演台本:ノゾエ征爾、演出補:杉原邦生で、その他の知らないスタッフも、これは錚々たる面々が集められたのだろうというのはよく分かる。音楽は、アニメとは無関係でオリジナルだったが、日本の古い民謡のような音楽との融合が美しい。エヴァといえば、あの・・・出動の時のティンパニーが鳴る音楽が無いとワクワクしないんじゃないか、と思ったけれど。これはこれ、として、アニメとは別に完結して観る事が出来た。

この作品、THEATER MILANO-Zaの杮落し公演。劇場のポテンシャル、劇場が演目を作る力量をはかる・・・という意味では「存分に分かりました!」と最敬礼して言わざるを得ない凄みがあったけれど。杮落し公演として、どうしてこの演目にしたのかはちょっと意図が不明で、Twitterではいろんな人が口々に呟いていた。開演時間の設定の悪さもあるのか、かなり空席の目立つ客席だったし(杮落し故、安売チケットも流れていなかった)。杮落しは、わーっと人が集まる方が良いんではないか?エヴァの舞台化は、結構リスキーだしある意味実験的でもあるはず。なんというか、観るべき人にちゃんと届いているのか、他人事ながら不安で仕方ない。そんな舞台だった。

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