<観劇レポート>早稲田大学演劇研究会 「轟音トラッシュ」
<観劇レポート>早稲田大学演劇研究会 「轟音トラッシュ」
【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 早稲田大学演劇研究会「轟音トラッシュ」の観劇レポートです。
もくじ
公演前情報
公演・観劇データ
項目 | データ |
---|---|
団体名 | 早稲田大学演劇研究会 |
回 | 早大劇研'22新歓公演 |
題 | 轟音トラッシュ |
脚本 | 田中優笑 |
演出 | 田中優笑 |
日時場所 | 2022/04/22(金)~2022/04/26(火) 早稲田大学大隈講堂裏劇研アトリエ(東京都) |
団体の紹介
劇団ホームページにはこんな紹介があります。
1920年、創立。
この100年間で、名前を変えて、場所を代えて、
そして大勢の人間を替えながらも、多くを受け継ぐ。
そのうえで、捨て去れたら。活動拠点は、大隈講堂裏に建つ「劇研アトリエ」。
入会希望者は、「新人訓練」を受けたのち、
「新人試演会」を経て、正式な会員となります。入会後は、原則として平等な公演企画の権利が付与され、アトリエの使用権を会員同士で競り合います。
また、「アンサンブル」と名付けられた派閥制度により、アトリエの使用はさらに円滑なものとなります。
過去の観劇
- 2024年10月21日 【観劇メモ】早稲田大学演劇研究会「獄・カーニバル」
- 2024年06月13日 【観劇メモ】早稲田大学演劇研究会 「香格里拉 ―シャングリラ―」
- 2024年05月02日 【観劇メモ】早稲田大学演劇研究会 「邂逅」
- 2024年03月04日 【観劇メモ】早稲田大学演劇研究会 「シン・ワ」
- 2024年01月13日 【観劇メモ】早稲田大学演劇研究会 「劇場版 芝居小屋シアター THE STAGE」 ・・・つづき
事前に分かるストーリーは?
チラシにはストーリー記載あり。
データ化されたものを見つけられなかったため、割愛。
ネタバレしない程度の情報
観劇日時・上演時間・価格
項目 | データ |
---|---|
観劇日時 | 2022年4月23日 18時00分〜 |
上演時間 | 65分(途中休憩なし) |
価格 | 無料・カンパ制 全席自由 |
客層・客席の様子
男女比は6:4くらいで、男性がほんの少し比率としては多い。
学生さんが多かったです。
観劇初心者の方へ
観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。
・考えさせる
・疾走する
観た直後のtweet
早稲田大学演劇研究会「轟音トラッシュ』65分休無
一見分かりやすそうで割とハイコンテクスト。テンポに乗せられて、途中何が起こってるのか分からなくなったけど、ラストの方であ~って合点。普遍的な衝動を描いている?何十、何百万回とこんな疾走の拳を繰り返すのかなぁ。遠い目と共に。オススメ! pic.twitter.com/3qQ3ElzrYB— てっくぱぱ (@from_techpapa) April 23, 2022
満足度
(4/5点満点)
CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
感想(ネタバレあり)
橋の下で生活する浮浪者。就活中の男。底抜けに明るい中学生。いじめられてるコンビニバイト。そしてニート。橋の下の川辺。電車が橋を走ると頭上から轟音が鳴り響く中で、何者にもなれず、いじめてくる奴に仕返しも出来ず、こぶしを握り締めながらいつかは殴りかかろう、殺してやろうと思っている。でも、何万回思っても、それは実行できなくて。いや、次回は実行するのだと決めていて。そうやって、どこか行こうとしてもどこにも行けない、若者の物語。
緻密に作られた橋の下の舞台セットとは裏腹に、物語はハイコンテクスト。集まってる5人は、一体どこから来て、どこに行く人なのか、実はよく分からない。行き場所がなくて集まってきたようにも見えるし、ひっょとしたら5人は同一人物の脳内人格?という解釈も成り立ちそう。妙にリアリティのある橋の下の光景が、徐々に崩れていく感覚。
何かになりたくて、ならないといけなくて、でもどうにもならなくて。ただ、目の前に現れる分かりやすい敵を叩きのめそうとするけれど、やっぱり叩きのめす勇気もなくて。・・・一言で言ってしまえば「モラトリアム」なのかもしれないけれど、そんな分かりやすい言葉では割り切れない感情を、失踪するようにハイテンポで描き切っていた。
役者さん。奥泉、何度か小劇場で拝見しているけれど、今回の役が一番「素に近い役」に見えた。言い知れぬ魅力は、素に近い役でも変わらず。川合凜、前回観た「幸福の標本」の時も気になった、明るいのに不思議な空気感を出しているのが印象に残る。
終演後、劇研出身で元・第三舞台の、伊藤正宏を招いてのアフタートーク。今回の公演は、劇研OBを招いてのアフタートークを何度か開催している様子で、その一環として。伊藤正宏の劇研時代や放送作家になったきっかけなどのエピソードを披露。鈴木成一が第三舞台の宣伝美術を担当する前は、伊藤正宏が手掛けていた時期もあったとの事で驚く。私自身、伊藤正宏を生で見たのは、91年の「天使は瞳を閉じて」以来だと思う。楽しい時間だった。