まだ間に合う公演レポ(18日18時)
●5/2(日)まで 東宝「ウェイトレス」
●5/16(日)まで 劇団四季「ロボット・イン・ザ・ガーデン」

2020年 勝手に観劇ベスト13

#芝居,#観劇総括,#観劇ベスト

誰にも頼まれていないけれど、2020年通年ベスト13。

2020年に観た芝居、122本の中から、私的なベスト13を選んでみました。

観劇リスト2020 122本

カンゲキ座談会で、1~3月のベストを語りました。

CoRich芸術アワードに投票もしています。

13本にした理由ですが、CoRichで10票投票権を頂きましたが2演目CoRich登録がなく、1位は投票できませんので、13位までを選んで、繰り上げて10票投票しました。

2019年下半期ベスト13(順位)

【13位】扉座「リボンの騎士2020」

横内謙介さんの作品は多数見ていますが、本家の扉座を初めて観た公演でした。この作品に関しては、底抜けに元気というか、悲しいけれど元気という雰囲気が圧倒的で、コロナでいろいろと嫌なニュースがある中、そういった陰鬱とした雰囲気を全力でふっ飛ばしてくれた作品でした。けだまを演じられていた北村由海さんの演技と、ダンスシーンが忘れられない作品でした。

【12位】静岡理工科大学星陵高校「日本の大人」

1月末の、高校演劇の関東大会・南ブロックで拝見しました。その後、全国大会に進出し、こうち総文のWeb配信でも拝見しました。
関東大会で観終わった直後は、他作と比べるとそれほど気になった訳ではなかったのですが、日が経つにつれてどんどんと自分の中での比重が高まっていった作品で、結局こうち総文の映像は3回くらい見直しました。小学26年生のクマノプータロー君や、彼が見えなくなった主人公は、今どこで何しているのかな、とか。私自身は今、クマノプータロー君が見えるのかな、とか。ふとした時に考えてしまう作品になりました。元々は劇団「ままごと」の作品ですが、観劇直後にも書きましたが、大人と子供との境界線、マージナルな世代である高校生が演じることで、より深みのある作品になったと思いました。

【11位】OKAMI企画「Cymbeline -シンベリン-」

約1年前になりますので、記憶が薄れつつありますが。横浜・桜木町での公演でしたので、観終わった後、野毛に飲みに出る途中で、興奮してツイートをしたのを覚えています。HIKARIって、変なところに柱がある劇場なのですが、今井勝法さんが柱をバックに、王様を演じられていたのが、ものすごく印象的でした。

【10位】アナログスイッチ「みんなの捨てる家。」

私自身、ちょうど今年父を亡くしたこともあったのかもしれませんが、ものすごく染み入る演劇でした。特に、ぎぃ子さん演じる妹が、嬉しそうに寂しそうに、家族を見送る様子が、時折頭の中によみがえってきます。

【9位】東京演劇アンサンブル「おじいちゃんの口笛」

子供も観れる演劇という事で、恐る恐る観に行ったのですが、結果的にすごく良かった。主役二人の表情がとにかく素晴らしかった。子供向けの演劇でも、大人も十分観れる…というより、大人が観るべき作品というのがあるのだな、というのを知りました。

【8位】山梨県立甲府南高校 「イノセント鉄道とぼく」

いまだに、何を観たのか、上手く説明できない自分がいます。それでも忘れられない。それくらい、引っかき傷を残してきた作品でした。いわゆる「感動する話」ではないのに、涙が溢れて止まらなかったのも久しぶりの経験でした。3月にオンライン開催された春フェスで、映像で見ましたが、申し訳ないけれどこれは映像では上手く伝わらない、というのもよく分かりました。1月の関東大会で、Liveで観れて幸運でした。

【7位】虹の素 「失恋博物館S」

昨年のクリスマスに観た 「失恋博物館Ⅳ」でハマって、番外編?をコロナ禍の夏に観劇。空間が愛おしい。その感覚を味わうには、もってこいの演劇、演出形態だと思いました。たんぽぽの演出や、好きな劇団「たすいち」が短編を一本上演していたのも印象的でした。クリスマスに 「失恋博物館Ⅴ」も上演されたのですが、こちらは直前でキャンセルしなくてはならなくなって残念でした。

【6位】俳優座劇場 「嘘 ウソ」

ラスト、カーテンコールの後に始まる種明かしが、あまりにも衝撃的。会話劇自体は面白くも少し地味な印象もありましたが、ラストのひっくり返し方に全て持って行かれた演劇でした。この作品だけでなく、最近書かれた海外の作品を老舗劇団が上演しているケースがあり、こういった作品の系統をもう少し観たいな、という想いが生まれた作品でもありました。

【5位】東京夜光「BLACK OUT」

巷では、コロナを扱った作品という解釈が多かった気がしますが、私自身はコロナと言うより、演劇に対する直球の眼差しを扱っていたように思いました。その内容が、コロナに相まって、人々が徐々に外出しだしたあの夏に観たかったものとして、とてもマッチしていたのかな、と思いました。コロナを描いた作品は今年は何本もありましたが、その後何本観ても、この作品が群を抜いて面白かったのと。照明の奇麗さ、空間の使い方の上手さも印象に残りました。

【4位】東京デスロック「外地の三人姉妹」

未だに、なぜ印象強かったのか、上手く説明できないでいます。チェーホフも知らないし、政治的な演劇はあまり好みではないはずなのに、観た後の脱力感、重さが半端ない芝居でした。

【3位】KAAT神奈川芸術劇場「オレステスとピュラデス」

KAATのホールをあんな風に使うのか!という驚きと、とっつきにくいギリシャ悲劇をラップで語りつくす上手さ。空間の鮮烈さの印象がとにかく半端なかったです。映像配信はあった?のか分かりませんが、きっと映像だと何も伝わらない作品だと思います。杉原邦生さん演出の作品、KAATのギリシャ悲劇以外にも観てみたいのですが、タイミングが合わず、機会に恵まれていません。ぜひ観てみたい演出家の一人です。

【2位】conSept「Fly By Night~君がいた」

劇中、「占い」や「運命」という言葉が、作品のモチーフとして使われていた作品でした。私はどちらも嫌いな言葉で、本来なら物語に入り込めない類の作品なのですが、そういったバリアを易々と通り抜けられたのが、自分の中で比重が高くなった理由でした。「目に見えないもの」を信じる。割とよくあるテーマではあるものの、その信じ方を、舞台空間全体を使って表現されていたように感じました。コロナなんて一言も出てきませんが、コロナの中で演じられることがとても意味深いと感じました。
12月中旬にCSの「衛星劇場」で、映像でも放映されました。見て気が付いたのは、「あーこの作品も映像では伝わらないな」という事でした。目に見えないものを信じるには、劇場という空間が必要なのかな、と思いました。

【1位】(コロナのせいで見逃したすべての公演)

観劇おじさんのtwitterでの笑い話に「見逃した公演は、常に傑作」というのがあります。

スケジュールを詰め詰めにして、1日3本公演をハシゴしても、どうしても観れない作品がある。そして、見逃した作品はいつも「傑作」だ、と。隣の芝は青い的な、あくまでもジョークだったのですが、この言葉が、現実的な意味を持つとは思っていませんでした。

新型コロナウイルスの影響で、今年は公演自体実現しない事が多くありました。

延期を重ねて中止に至った公演がありました。
予約が強制キャンセルになった公演がありました。
無観客での上演や、配信に切り替える選択をした公演がありました。
多くの高校演劇は、無観客で大会が実施され、一般客は観る事すら叶いませんでした。
公演期間中の発熱やコロナ感染発覚の影響で、途中で中止になった公演がありました。
マスコミにヤリ玉に挙げられた公演がありました。
密かに活動中止をした団体がありました。
仕方なく役者さんを辞める、と宣言された方がいました。
ルールを破ったとして活動中止を言い渡された学生劇団もありました。
上演されなかった公演のチラシを、演劇博物館が集めたりもしました。

実際に公演を実現できた団体でも、思うように準備が出来なかったり、感染対策が大変で経済的に打撃だったりと、公演が打てても気が気ではない、という状況だったのかな、と思います。

演劇の火を消さないためにも、演劇界の賞レースは、幸運にも公演が打てた中から選ぶべきだと思います。一方このベスト13は、あくまで私的な順位なので、今年に限っては「観れなかったあの公演が傑作」という観劇おじさんのジョークを刻んでおきたいと思います。

最後まで悩んだ作品

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