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<映画レポート>「聖なる犯罪者」

#映画

【ネタバレ分離】昨日観た映画、「聖なる犯罪者」の鑑賞レポートです。

映画基本情報

タイトル

「聖なる犯罪者」

2019年製作/115分/R18+/ポーランド・フランス合作/原題:Boze Cialo
配給:ハーク

キャスト

ダニエル:バルトシュ・ビィエレニア/リディア:アレクサンドラ・コニェチュナ/マルタ:エリーザ・リチェムブル/ピンチェル:トマシュ・ジェンテク/バルケビッチ:レシュク・リホタ/トマシュ:ルカース・シムラット

スタッフ

監督: ヤン・コマサ /製作:レシェク・ボヅァク,アネタ・ヒッキンボータム/脚本:マテウシュ・パツェビチュ/撮影:ピョートル・ソボチンスキ・Jr./美術:マレク・サビエルハ/衣装:ドロタ・ロクエプロ/編集:プシェミスワフ・フルシチェレフスキ/音楽:エフゲニー・ガルペリン,サーシャ・ガルペリン

公式サイト

聖なる犯罪者
(公開後、一定期間でリンク切れの可能性あり)

映画.comリンク

作品解説

過去を偽り聖職者として生きる男の運命を描き、第92回アカデミー賞の国際長編映画賞にノミネートされたポーランド発の人間ドラマ。主演のバルトシュ・ビィエレニアが、少年院出身のダニエルと司祭トマシュという正反対の人物像を緊張感たっぷりに演じる。監督は「ヘイター」「リベリオン ワルシャワ大攻防戦」のヤン・コマサ。

あらすじ

少年院に服役中のダニエルは、前科者は聖職に就けないと知りながらも神父になることを夢見ていた。仮釈放され田舎の製材所で働き始めた彼は、ふと立ち寄った教会で新任の司祭と勘違いされ、司祭の代わりを命じられる。村人たちは司祭らしからぬダニエルに戸惑うが、徐々に彼を信頼するようになっていく。数年前にこの土地で起きた凄惨な事故を知ったダニエルは、村人たちの心の傷を癒やそうと模索する。しかしダニエルの過去を知る男の出現により、事態は思わぬ方向へと転がっていく。

満足度

★★★★★
★★★★★

(4.5/5.0点満点)

鑑賞直後のtweet

ここから先はネタバレあり。注意してください。

感想(ネタバレあり)

見終わった後には、すぐに言葉が出てこなかった。少し時間が経って、赦す事についての物語だったのかな、と思うようになってきた。思考を迫ってくるのに、上手くまとまらない。すごい作品なのに、そんなもどかしさがある。

ダニエルの行動が、良かったか悪かったか、みたいな、善悪の話では決してなく。だからといって、事故を起こして死んだ男の妻を村八分にすることが悪だ、と言っている訳でもない。ただ、そういう人間の性と、それに対する赦しの過程を描いている。ダニエルの過去は、劇中、詳しくは描かれない。けれど、彼が神父として村の人々の信頼を得ていく過程は、彼自身が赦しを受けるためプロセスなのだろう、と思う。

ラストシーン、少し理解が難しかった。村を追われて少年院?に戻ったダニエル。決闘を申し込まれて、挑んできた相手を、返り討ちにしてしまう。それまでのどこか美しさもある映像とは裏腹に、かなり暴力的な描写。相手は、気絶しているようにも、死んでしまっているようにも見える。突然あたりが火事になり、ここから逃げろ、と何者かに言われて走り去るダニエル。このシーン、唐突に、隠喩のような描き方になっているように感じる。

村人たちを赦しに導いたダニエルが、結局はまた罪を犯してしまう。しかも、受けなければ自らが殺されてしまうかもしれない決闘での罪。結局、罪とは何なのか?そもそも、罪は存在するのか?みたいな、見る人への哲学的な問いかけのようにも見えてくる。前述の通り、ダニエルがどんな罪で少年院に入ったのかは描かれない。その描写をあえて避けていたのは、このシーンへの繋がりだったのかもしれない。

主演の、バルトシュ・ビィエレニア。安直な連想かもしれないが、「トレインスポッティング」のユアン・マクレガーを思い出す。描いている世界はエグイのに、ものすごく美しい。そんな印象を受けた。

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