<観劇レポート>conSept「いつか〜one fine day〜」

#芝居,#conSept

【ネタバレ分離】昨日観た芝居、 conSept「いつか〜one fine day〜」の観劇レポートです。
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公演前情報

公演・観劇データ

項目データ
団体名conSept
いつか〜one fine day〜
脚本板垣恭一(脚本・作詞・演出)
演出板垣恭一(脚本・作詞・演出)
日時場所2021/06/09(水)~2021/06/20(日)
CBGKシブゲキ!!(東京都)

CoRich 公演URL

団体の紹介

ホームページにはこんな紹介があります。

conSept=コンセプトは「Simple, Small but Special」をモットーに2016年10月に立ち上げた映像制作及び舞台公演制作を専門とするプロダクションです。
舞台公演において、過去には主に小中劇場向けのオペラやミュージカルの制作及び海外公演、招聘公演のコーディネーターを務めてきました。現在は主に小劇場向けのミュージカルを中心に手掛け、より身近な場所で、もっとカジュアルにミュージカルを楽しめる場を提供することを目指しています。
映像ではサイネージや4K向けのコンテンツ制作に注力していますが、将来的には映像と舞台を融合したコンテンツ制作を目指していきたいと考えています。

conSept

過去の観劇

事前に分かるストーリーは?

こんな記載を見つけました

保険調査員のテル(藤岡正明)は後輩・タマキ(大薮丘)の担当だった仕事を引き継ぐよう新任の上司・クサナギ(藤重政孝)から命じられる。それは交通事故で植物状態の女性・エミ(皆本麻帆)の事故の原因を調べるというもの。しかし、エミの代理人・マドカ(松原凜子)と友人・トモヒコ(西川大貴)は調査に非協力的で敵対。仕事が進まないなか、病死した妻・マキ(浜崎香帆)のことをまだ整理できずにいるテルに声をかけてきたのは、意識がないはずのエミだった。俄かには信じがたいと思いながらも自分にしか見えないエミと交流を重ねるうちに、事故の陰に幼い頃にエミを捨てた消息不明の母親・サオリ(土居裕子)の存在が浮かび上がってくる。

ネタバレしない程度の情報

観劇日時・上演時間・価格

項目データ
観劇日時2021年06月10日
19時00分〜
上演時間130分(途中休憩なし)
価格9500円 全席指定 平日ソワレ割

チケット購入方法

Confettiのサイトで購入・決済しました。
セブンイレブンで、チケットを発券してもらいました。

客層・客席の様子

男女比は1:9くらい。
女性のミドル層upが多かったように思います。

観劇初心者の方へ

観劇初心者でも、安心して観る事が出来る芝居です。

芝居を表すキーワード
・ミュージカル
・シリアス
・泣ける
・考えさせる

観た直後のtweet

満足度

★★★★★
★★★★★

(5/5点満点)

CoRich「観てきた」に投稿している個人的な満足度。公演登録がない場合も、同じ尺度で満足度を表現しています。
ここから先はネタバレあり。
注意してください。

感想(ネタバレあり)

一年ほど前に観た、conSeptのミュージカル「fly by night~君がいた」がとても良くて、それ以来ちょっと注目しているconSept。今回は、「fly by night」と同じ、演出が板垣恭一で音楽が桑原まこのミュージカル。なので、あまり物語の内容も見ずにチケットを買ってしまった。2019年の作品の再演らしい。

気持ちが乗るまでの時間、というのか、感情のうねりが込み上げてくるまでの時間が少し長い・・・要はスロースタートな物語、な気がしたけれど、ラストに向けて描かれている世界には、涙せずにはいられず。ダンスは殆ど無くて小じんまりしたミュージカルだけれど、感情がとても深く描写されていた。

子供を育てられなくて施設に預ける母親の話とか、あるいはLGBTQIAPKとか、盲目や障害による生きづらさや、いろいろな問題がサラリと織り込まれている物語。でも、メインのテーマとして大きく扱われているのは「安楽死」。ただ、劇中には一度も「安楽死」という言葉は出てこなかった(と思う)。公演の紹介サイトを見ても、「いま、あなたにとって大切な人にしてあげられること、それは何ですか?」と記載されているだけで、安楽死の言葉は、全く使われていない。あるいは、一般化された「安楽死」の問題ではなくて、身近な人の最も良い最後、とは何か、という事。難病にかかった妻に、安楽死を選ばせてあげられずに結局自殺を招いてしまった主人公が、「安楽死」を望む植物状態の女性の声を聴けるようになってしまった時に起こる物語。

物語の最初の方では、捨てられた子が親に会いに行く話だと思っていたのだけれど。それが徐々に、安楽死に話が移っていく。安楽死自体の良し悪しを直球で描くと、きっと、とてもお説教臭い話になってしまいそうだし、そもそも何故「安楽死」を選ぶのか、みたいな動機のような感情が抜け落ちてしまいそうだけれど。むしろその動機を起点に描いている感覚で、観終わった後、改めて全体を思い返すと、差し込み方が上手いなぁと思う。物語全体を見てふと、映画「スイート・ノベンバー」を思い出す(映画はあまり好きじゃなかったけれど)。

ダンスは殆ど無く、歌がメインのミュージカル。印象に残る旋律は、それ程出てこなかった(むしろ、これ別のミュージカルの曲に似てる、とか思ったり)終演後も口ずさんでしまいそうな旋律が欲しくて、その点はちょっと寂しかったけれど、芝居の中で感情に乗った歌唱力と、生演奏で魅了されて、大満足。特に、皆本麻帆が演じる、植物状態にある盲目の女性、エミの歌がとてもすごい。逆光の中で悲しげに歌っていると、思わずグイグイ引き込まれてしまう。プロフィールを見ると、「アニー」からキャリアをスタートさせた女優さんらしい。親のいない苦しみに、妙にリアリティを感じたので、思わず「アニー」とか思ってしまう(あくまで思い込みだけれど)。

元々は映画原作、という事だけれども。どの映画なのか判別つかなかった。ワン・デイ 23年のラブストーリー これだろうか…。Wikipediaでストーリーを読むと、全く違う物語のようにも思える。あくまで原作で、板垣恭介の脚色がかなり加わっている、という事かもしれない。

conSeptのミュージカル。演出・板垣恭一、音楽・桑原まこ、の作品は、是非シリーズ化してほしい。次回の作品にも期待。

2021年9月25日追記
原作映画は、上記ではなく、韓国映画「ワン・デイ 悲しみが消えるまで」だというのを、質問箱で教えていただきました。ありがとうございます。映画、見てみます。

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